我妻正史 絵画展

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洋画、版画、写真と幅広く発表活動を続けている我妻正史が、このほど作品集を
発行し、合わせて自選展を開催する。氏は宮城県塩釜高校在学中に美術教師で
あった佐野寛の指導のもと、塩釜市美術展に初出品していきなり最高賞を受賞す
る。翌年にも河北美術展に初出品初入選する。これが絵の道を志す動機となつた
。しかし社会人となってから会社員としての仕事を全うするため、一旦絵筆を置く。
そして定年退職を迎えた1995年から、再び本格的に絵画と版画に打ち込むよう
になったのである。
 我妻の作品は、単に対象を写し取るのではなく、記憶の中に蓄積されたイメージ
を昇華させたものだ。よって表現は自ずと抽象に向かう。テーマも時代背景を反映
し、「廃墟」「不安」「予感」といった、人間の内面に迫るものである。
 同画集は1950年代前半と、97年から現在までの10年間の軌跡を辿るものと
なっている。作品集に収載の作品は全て展覧会に出品される。次なる表現の展
開に向けて、一つの節目といえるだろう。
                                  (小森佳代子)